骨粗しょう症治療
骨粗しょう症とは
骨はいつも同じように見えても、毎日少しずつ壊されながら(骨吸収)、新しく作られること(骨形成)を繰り返しています。
骨粗しょう症は、このバランスが崩れ、骨の量の減少や、骨の質が低下することで骨の強度が弱くなり、骨折しやすくなる病気です。
現在、国内に約1300万人の患者さまがいると推定されています。普段は、痛みなどの症状がなくても、転ぶなどのちょっとしたはずみで骨折しやすくなるのです。
特に閉経後の女性に多くみられ、女性ホルモンの減少や運動不足、必要な栄養素の摂取不足などが原因と考えられます。
食事と運動で骨折しにくい体を作る
骨の強さは、骨の量(骨密度)と骨の質(骨質)で決まります。骨の量が減少することで、背骨や太ももの骨が骨折すると、手術加療が必要になることや、寝たきりの原因ともなってしまいます。一度の転倒で、その後の生活が一変してしまうことがあります。そのため、転倒を予防するための運動療法も重要で、できるだけ骨折しにくい骨にするために、骨粗しょう症の予防と早期治療がとても大切です。
当院では、大病院と変わらない最新の骨密度測定装置(DEXA法)*を使用し、腰や太ももの骨(腰椎や大腿骨)の骨密度を測定し、骨粗しょう症の早期発見に努めています。骨密度が低い患者さまには投薬治療および骨の強度を維持するためのアドバイスなどを行っております。
*最新の骨密度測定装置(DEXA法)を導入しました。
DEXA法について
日本骨粗鬆症学会が推奨するDEXA法(二重エネルギーX線吸収測定法)は、高低2種類のX線を腰椎や大腿骨などに照射して、その透過度をコンピュータで解析し、骨量を計算します。
DEXA法では骨量を単位面積で割った値で算出し、「骨密度」として表します。短時間で済むうえ誤差が小さいのが利点であるほか、放射線の被爆量も少ないので、安全性という部分でもメリットがあります。
予防について
骨粗しょう症を予防する方法のひとつとして、先に述べた運動療法、そして食事療法があります。ただ、これらは発症してから行うものではなく、30代くらいの頃から日常生活の中で取り入れることが大切です。食事療法では、栄養バランスの良い献立を心がけ、たんぱく質やカルシウムを多く摂取するほか、ビタミンD、Kも摂ります。
運動療法については、ウォーキング程度の軽度な運動で十分ですが、とにかく長く続けるのが大切です。こちらも若いうちから行っていけば、高齢者となっても足腰を丈夫に保つことができ、身体のバランスも保つことができます。そうすれば、転倒を防ぐ可能性も高くなります。ただ、食事療法や運動療法を続けていたとしても骨の量というのは、年齢を重ねるにつれ減少していきますので、とくに女性の方であれば50歳を過ぎたらDEXA法による骨密度検査を行うようにしてください。
治療について
検査の結果、骨密度が低い、あるいは骨粗しょう症の発症が認められた場合、薬部療法による治療が中心となります。
用いる薬は、骨が壊されるのを抑える薬(ビスフォスフォネート製剤、SERM、デノスマブ)、骨の材料を補う薬(カルシウム製剤、活性型ビタミンD3製剤、ビタミンK製剤)、骨をつくる薬(PTH)などです。